Masashi Watanabe
渡邉 仁
—Designer
1986年、新潟県佐渡ヶ島生まれ。
その昔、京での政争に敗れた天皇家や貴族たちの流刑地となっていた佐渡ヶ島は、島国日本の中でさらに絶海の孤島でありながらも、都の華やかさをもって文化的停滞を許さず、独特なインスピレーションと文化を生み出した。
2008年、彼は日本を飛び出しミラノへ渡る。
いくつもの工房へ足を運ぶなかで彼の心を動かしたのは、現地で出会った人々が持つブランドや文化への誇り、そして、その根幹を成す愛国心であった。
彼はその後「自分とは何か、日本人とは何か」と考察を続け、時にそれは甘美な喜びを、時にそれは敗北的な荒廃感を彼に与えた。
しかしその自問自答の日々が、歴史的考察に裏付けされた日本人としてのアイデンティティーをもとに、創造と破壊を恐れない好奇心と寛容さから生み出される視点で、ストリートのエッセンスを融合した唯一無二の世界を定義することになった。
そして今、現代の日本人が失った独立性と多様性を覚醒させるべく、彼はVEDUTAを生み出した。